「役作りの方法がわからない」
「演技の役作りって何をすればいいの?」
演技を始めたばかりの人や、経験が浅い人は、こんな風に役作りの方法がわからず困ることが多いのではないでしょうか。
あなたは役作りをするときどうしてますか?
台本を読んで、役作りをしないで、すぐにセリフを声に出してはいませんか?
セリフを声に出して読む前に、役の人物像を読み取り、構築する必要があります。
今回は、演技で大事な役作りの方法について解説していきます。
役作りのために履歴書を書こう
役作りの一番基本的な方法は「役の履歴書を書く」ことです。
誰でも自分のことであれば、人に聞かれてもなんでも答えられると思います。
好きなもの、嫌いなもの、どこで生まれ、どこで育ち、初恋の相手でも覚えていることならなんでも答えられるはずです。
ところが、自分の役になるとそれができなくなります。
なので、それを一から構築してみましょう。
自分史のようなものを役で書いてみるのです。
自分がどこで生まれ、どんな親に育てられ、何に影響を受けたのかなど、細かければ細かいほど役を演じるのに役立ちます。
ただ、ここで注意しなければならないことがあります。
自分史だからと言って好き勝手に書いていいわけではありません。
なぜなら台本にその役の人物像が書かれているからです。
まずは台本からその役の人物像を読み取ります。
そして、その人物像を深めるために、自分史を書いていくのです。
台本に描かれている役の人物像にたどり着くような自分史を一生懸命書いてみましょう。
台本では真面目で、悪いことなど一度もしたことがない公務員として描かれているのであれば、自分史では、なぜそういう人物になったのかを具体的に構築してみましょう。
親が厳格な人でしつけを厳しくされたかもしれません。
小学校では学級委員だったかもしれませんね。
役の履歴書(自分史)を書くというのは相当大変な作業です。
しかし、演技を勉強し始めたとき、自分の中に頼れる基礎、技術がありません。
基礎、技術が無いのであれば、誰よりも役を深めましょう。
その役を深めれば深めるほど演技もしやすくなるはずです。
時代背景を調べる
演技をするうえで作品の時代背景を調べることはとても重要です。
あなたが、演じるのはいつの時代を題材にした作品でしょうか。
明治、大正、昭和、平成、時代によって物事の考え方や、衣食住などが違うはずです。
もちろん海外であっても同じです。
例えば、三国志の題材をやるのであれば、三国志の文献を図書館で読み漁ることになります。
最初は本当に大変ですが、苦労した分だけ、のちのち楽になると思ってください。
勉強したものを積み重ねていけば、同じような題材に当たった時に苦労しなくなります。
一度調べてますから、最初のような苦労はしないはずです。
現代物でない限り、役作りに調べものはつきものです。
作品が描かれている時代を徹底的に調べ、その時代に生きている人を演じる材料を一生懸命集めましょう。
声優の仕事は役作りの時間が少ない
声優の養成所・専門学校で勉強しているときは、役を深めることを身につけるために、とても時間をかけて訓練します。
しかし実際の声優の仕事では、台本をもらってから一週間ほどしか時間がありません。
役の履歴書をゼロから書くことや、時代背景を細かく調べている時間はありません。
なので、勉強期間に役作りをした経験をしっかり積んでおくというのがとても重要になってきます。
勉強期間に丁寧に役作りをしておけば、その役が自分の引き出しに入ります。
全く同じ性格の役を演じることはないかもしれません。
しかし、同じ性格の特性を持った役を演じることはあるはずです。
その時に、過去に丁寧に役作りをしたことを自分の中の引き出しから出すことで、役を表現しやすくなります。
そうやって丁寧に役作りをした経験が自分の引き出しの中に蓄積され、短期間で役作りができるようになっていくのです。
声優として一つの役を演じきれるようになるために、勉強期間こそ、しっかりと丁寧に役作りをしましょう。
最後に
今回は演技で大事な役作りの方法について解説してきました。
演技経験が浅いうちは役作りをすることが大変に感じるかもしれません。
しかし、丁寧に役作りをしなければ、リアリティのある演技はできません。
しっかりと役作りをしていくことで、役の感情がわかり、演技がしやすくなります。
最初から完璧な履歴書を書ける人はいません。
まずは台本を何度も読み、一生懸命に履歴書を書いてみましょう。
何度書き直してもかまいません。
そして、自分の役について何を質問されても答えられるようになりましょう。
最初は大変かもしれませんが、継続することで、できるようになっていきます。
全ては自分が演じやすくなるための努力ですので、一生懸命頑張りましょう。