声優になるには?声優になる方法から基礎練習まで徹底解説!

なりたい職業ランキングでも上位にランクインすることが多い「声優」
今回はそんな声優になるための方法を徹底解説します。

声優はとても人気のある職業で、声優志望者は年々増加しています。
しかし、声優として活躍できるのは、ほんの一握りの人たちだけです。

声優として活躍するためには、きちんとした声優の養成機関で学び、声優に必要な基礎と技術を身につける必要があります。
まずは声優になるための道のりを理解し、一番声優になれる可能性が高い道を選択しましょう。

この記事を読めば、あなたに合った声優の目指し方がきっと見つかります。

目次

【1】声優になる方法

声優になり、声の仕事をしていくためには声優事務所に所属する必要があります。
アニメのオーディションや、外画の吹き替え、テレビ番組やCMのナレーションなど、声の仕事に関するものはすべて声優事務所を通して依頼が来ます。
声優事務所に所属していなければ、無名の新人には仕事のチャンスは一切ないと言っても過言ではありません。

声優事務所に所属する方法は大きく分けて4つの方法があります。
それぞれに特徴がありますので、自分に合ったものを選択しましょう。

①声優の養成所に入る

声優養成所に入るのが、一番基本的な声優になる方法です。
声優養成所の多くが未経験、初心者から入ることができます。

週1日から週5日まで、声優養成所によってレッスン日数は様々です。
自分の状況に合わせて通うところを選ぶことができるのが声優養成所のメリットでもあります。

勉強期間は半年から数年と、こちらについても声優養成所によって様々です。
基本的には勉強期間が終わる年度末に所属オーディションが行われ、合格者のみが声優事務所に所属できます。

プロの声優になるために、どこの声優養成所に通うのかというのはとても大事な選択です。
ここで選択を誤ってしまうと、声優になるまで遠回りをすることになってしまいます。

本気で声優として売れたいと考えるなら、大手声優事務所に直結している声優養成所に入ることを強くおすすめします。
所属する声優事務所というのは声優人生を大きく左右します。

大手声優事務所であれば仕事のチャンスや幅が中小に比べ圧倒的に多いので、新人のうちから現場に出て経験を積んでいくことができます。
当ブログでは、大手声優事務所に直結している声優養成所についても記事にしていますので、ぜひ読んでみてください。

今回はその中から「日本ナレーション演技研究所(通称日ナレ)」を紹介します。
日本で一番有名な大手声優養成所である日ナレですが、人気声優の輩出実績も申し分ありません。

声優になりたいなら、まずは日ナレの資料に目を通してみましょう。
資料請求は無料で、1週間ほどで送られてきます。

日ナレの主な出身者(男性声優)日ナレの主な出身者(女性声優)
天﨑滉平(あまさき こうへい)内田真礼(うちだ まあや)
内田雄馬(うちだ ゆうま)内山夕実(うちやま ゆみ)
梅原裕一郎(うめはら ゆういちろう)大西沙織(おおにし さおり)
梶 裕貴(かじ ゆうき)岡咲美保(おかさき みほ)
下野 紘(しもの ひろ)佐倉綾音(さくら あやね)
鈴木崚汰(すずき りょうた)椎名へきる(しいな へきる)
鈴木達央(すずき たつひさ)洲崎 綾(すざき あや)
鈴村健一(すずむら けんいち)竹達彩奈(たけたつ あやな)
鳥海浩輔(とりうみ こうすけ)田村ゆかり(たむら ゆかり)
檜山修之(ひやま のぶゆき)東山奈央(とうやま なお)
福島潤(ふくしまじゅん)中原麻衣(なかはら まい)
前野智昭(まえの ともあき)林原めぐみ(はやしばら めぐみ)
松岡禎丞(まつおか よしつぐ)早見沙織(はやみ さおり)
村瀬 歩(むらせ あゆむ)日笠陽子(ひかさ ようこ)
八代拓(やしろ たく)三石琴乃(みついし ことの)
山下大輝(やました だいき)堀江由衣(ほりえ ゆい)

②声優の専門学校に入る

声優養成所の次に多い選択肢が、声優の専門学校です。
未経験、初心者でも入学可能で、レッスン日数は基本的に週5日間となっています。

専門学校は週5日間みっちり基礎から教えてもらえるので、声優になるためにはとてもいい環境だと言えます。
勉強期間は基本的に2年間と考えてください。
充実したレッスンカリキュラム、設備が、専門学校の魅力です。
その分、費用(学費)は声優養成所よりも高めに設定されています。

専門学校の選択で、一番注意しなければならないのが、声優事務所オーディションの有無です。
専門学校で、外部の声優事務所オーディションが開催されなければ、声優の勉強だけして卒業となってしまいます。
声優事務所に所属するために養成機関に通うのですから、必ず声優事務所オーディションが開催される声優の専門学校に入学しましょう。

専門学校が開催する声優事務所オーディションでは複数の声優事務所が参加してくれます。
複数の声優事務所オーディションが受けられるのは専門学校の最大のメリットと言えます。
オーディション後、あなたが欲しいという声優事務所からは声がかかります。
声をかけてくれた声優事務所の中から、所属したいと思う声優事務所を選ぶことができます。

専門学校の選び方ですが、声優事務所への所属率が高い専門学校へ入学することをおすすめします。
当ブログでは圧倒的な声優事務所所属率を誇る「アミューズメントメディア総合学院(AMG)」について記事にしていますので、ぜひ読んでみてください。
AMGの2023年3月卒業生の声優事務所への所属率はなんと驚異の80.7%です。

③声優事務所のオーディションを受ける

声優の養成所や専門学校に入らずに直接声優事務所のオーディションを受けて声優になる方法もあります。
オーディションは声優事務所のHPで一般公募をしているので、随時チェックしましょう。

一般的には1次審査(書類審査・セリフサンプル)、2次審査(自己PR・原稿・質疑応答)の流れでオーディションが行われます。
そして、2次審査に合格した方が声優事務所への所属となります。

しかし、声優というのは素人がすぐに現場に出て活躍できるほど甘い世界ではありません。
声優事務所に合格できたとしても、恐らくその声優事務所に付属している声優養成所で必ずレッスンを受けることになります。

そして残念ながらすぐに現場に出るということも、あまり期待はできないと言えるでしょう。
ここで気を付けなければならないのが、「所属」という甘い言葉に惑わされて、養成所の生徒と同様の扱いになってしまうことです。

本当にあなたを売り出したいと思って所属させたのかというのはきちんと見極めなければいけません。
1年間在籍して、仕事のチャンスが全くない状態の声優事務所も存在するので注意が必要です。
また、一般公募で事務所オーディションを開催している声優事務所はとても少ないのが現状です。

もし、受けるのであれば、大手声優事務所に直結している声優養成所の特待生オーディションを受けることをおすすめします。
「81オーディション」は毎年開催される一般公募の声優オーディションです。

大手声優事務所の81プロデュースが主催しており、オーディションに合格することができれば、特待生として無料で授業を受けることができます。
さらに、81グループ制作作品・協力企業制作作品でのデビューも約束されています。

かなり倍率の高く難易度としては最大級のオーディションですが、合格できれば声優としてスタートをすることができます。

④最新のアニメなどの声優オーディションを受ける

声優雑誌やインターネット上などで大々的なPRで声優の一般公募をしていることがあります。
オーディション合格者は最新アニメなどに出演できるので、声優へ最速でスタートを切りたい人にはおすすめです。

かなり倍率が高く、最終審査まで演技、ダンス、歌唱など様々な審査を通過する必要があります。
難易度としては最大級だと認識しましょう。
しかし合格することができれば、声優事務所に所属し、すぐにデビューすることができます。

ただ、最近は怪しいオーディションも少なくはないので、きちんとした会社が運営しているかというのは確認しましょう。
また、オーディション合格者が所属できる声優事務所というのが公示されているはずです。
その声優事務所についても必ずチェックをしましょう。

定期的に開催されている一般公募のオーディションとして有名なのは「キミコエ・オーディション」です。
第3回では合格者に新作アニメシリーズでの声優デビューが約束されています。

キミコエ・オーディションは審査員も豪華で、主催も東北新社という信頼度がとても高い一般公募の声優オーディションです。

声優の養成所と専門学校の選び方と違い

ここからは声優の養成所と専門学校の選び方と違いについて解説していきます。
声優になりたい方の多くがこの疑問を持っていると思います。

どちらも声優になるための養成機関ではありますが、それぞれに特徴があり、優劣をつけることはできません。
特徴を理解し、あなたの状況にあったところを見つけ出しましょう。

声優養成所の選び方

養成所については、大手声優事務所直結の養成所の中から、自分の状況に合うところを選んでいきましょう。
これが一番間違いのない声優養成所の選び方です。

大手であれば、声優に必要な基礎、技術についてきちんと教えてくれます。
なにより、所属できたときの恩恵が他の声優事務所に比べ圧倒的に大きいのです。

人気声優を目指すのであれば、まずは大手の声優養成所に通いましょう。

声優専門学校の選び方

専門学校については、声優事務所所属率が高い専門学校に行きましょう。

養成所と違い、専門学校は直結している声優事務所というのがありません。
そのため多くの専門学校が卒業時に外部の声優事務所を招き、学内オーディションを開催します。

学内オーディションには大手から中小まで複数の声優事務所が来てくれます。
このオーディションでの合格率(事務所所属率)が高い専門学校に行きましょう。

事務所所属率が高いということは生徒のレベルも高いということです。
専門学校は基本的に未経験、初心者の方が多く通われています。
指導レベルが高くなければ2年間で、声優事務所への所属は困難と言えます。

事務所所属率が高い専門学校に通えば、それだけ声優になれる可能性は高くなります。

声優の養成所と専門学校の違い

<①レッスン日数と内容>

声優の養成所と専門学校はレッスン日数が違います。
養成所は週1~3日、専門学校は週5日間のところが多いです。

また、レッスン内容も養成所と専門学校では異なります。
もちろん声優に必要な基礎、技術はどちらでもきちんと教えてくれます。

しかし、レッスン日数や時間の関係から、声優養成所は声優として必要なものを選りすぐってレッスンカリキュラムを組んでいます。
そのため、声優養成所によってレッスン内容が異なるのです。
直結している声優事務所の仕事内容によって、レッスン内容が決められていることもあります。

対して専門学校はレッスン日数や時間が多くあるため、幅広い内容のレッスンカリキュラムが組まれています。
様々なことをしっかりと学ぶことができるのは専門学校の魅力でもあります。

<②費用(学費)>

声優の養成所と専門学校は費用(学費)が大きく違います。
養成所は比較的安く、専門学校は高いと考えてください。
あくまで一例となりますが、養成所と専門学校では以下のような金額の差があります。

声優養成所専門学校
年間授業料30万130万
<③事務所所属率>

声優の養成所と専門学校は声優事務所への所属率が違います。
基本的に養成所は低く、専門学校は高いと考えてください。

養成所は基本的に自社のみの採用ですので、毎年少人数しか所属はできません。
年に1~5人の所属となることが多いのです。

対して専門学校は基本的に卒業時に外部の所属オーディションが行われ、大手、中小、複数の声優事務所が来られます。
何十社から各生徒に合格が出るので、声優事務所への所属率はとても高くなっています。

【2】声優事務所で一番最初にやること

声優事務所に所属することができたら、次はあなたを売り込む宣伝材料をそろえていく必要があります。
宣材写真を撮影し、ボイスサンプルを収録していきます。

宣材写真とボイスサンプルはあなたを売り込むためにとても大切なものです。
声優としての第一歩ですので、一生懸命取り組みましょう。

宣材写真

宣材写真ですが、基本的には声優事務所がお世話になっている写真撮影スタジオを紹介されることが多いです。
服装は自分のコーディネートとなりますので、自分が一番魅力的に見えるような服装にしましょう。

普段からおしゃれに気を使っていない人はとても苦労すると思います。
しかし、自分という商品を魅力的に見せるためにも宣材写真はとても重要です。

あまり崩しすぎず、かと言って堅くなりすぎないように、自分に合う服装というのを見つけておくととても役に立ちます。

どうしても悩んでしまうときは自分の所属している声優事務所のタレント一覧を見てみましょう。
どんな服装の写真を撮影しているか参考になります。

撮影はバストアップと全体写真を撮ることが多いです。
やわらかい表情や笑顔を要求されると思いますので、鏡で事前に練習しておくのがおすすめです。

初めての宣材写真撮影はとても緊張すると思いますが、徐々に慣れていきますので安心してください。

ボイスサンプル

声優にとって名刺とも言えるボイスサンプル
ボイスサンプルは声優事務所に所属してから一番最初に行う収録です。

セリフ、ナレーションを収録しますが、原稿の内容はすべて自分で考えます。
既存の作品からそのまま引用して、自分のボイスサンプルで使うことは著作権の関係からNGなので注意が必要です。

普段から様々な作品を見て、ボイスサンプルで使えそうな設定やセリフがあればメモしておきましょう。
そのまま使用することはできませんが、言い回しを変えたり、設定だけを活かしてセリフを作成したりすれば問題はありません。

セリフは外画用なのか、アニメ用なのかというのをハッキリと意識して作成しましょう。
方向性に悩んだときは、あなたが所属した声優事務所の仕事が多い方に寄せた方がいいと思います。

どんなキャラクターが得意なのか、あなたの演技の売り、強みはどこなのか、そういったことを考えながら原稿を作成しましょう。

声優事務所にもよりますが、収録の前にマネージャーと原稿について打ち合わせをする場合があります。
あなたが作ったセリフ、ナレーションの原稿を見てくれるのです。
マネージャーの視点から原稿に指摘をしてくれたり、要望やダメ出しなど、いいボイスサンプルを作るために力を貸してくれます。

収録は録音スタジオで行います。
当日はディレクションをしてくれる人が必ずいます。
現役のディレクターやマネージャーなど、声優事務所によって様々ですが、当日はいいボイスサンプルが収録できるようにダメ出しをしてくれます。

収録時間は人にもよりますが、大体1時間くらいです。
全ての原稿が収録できれば、ボイスサンプル収録は終了となります。

ボイスサンプルは最低でも1年間は使用します。
録り直すのは早くても1年後ですので、できるだけいいものを作れるように精一杯努力しましょう。

【3】声優事務所に所属してからデビューまで

宣伝材料が揃うと、ようやくあなたの営業が開始されます。
声優事務所から関係各所にあなたの宣材写真、ボイスサンプルが配られます。

初めての仕事は、人それぞれです。
外画の人もいれば、アニメの人もいます。
ナレーション案件が多い事務所であれば、ナレーションの場合もあります。
最近はオーディオブックの案件が新人に振られることも多いようです。

外画、アニメに関しては多くの場合、事務所の先輩声優のバーターのような形で、一言二言の役でお試しで使ってくれることがあります。
もしくは事務所の営業力で少しのセリフの役を貰える場合もあります。
そうやって現場に行き、ディレクターや音響監督に声や演技を見てもらい次の現場につなげていくのです。

最初の一歩は事務所がサポートしてくれますが、同じディレクターや音響監督から仕事をもらえるかどうかはあなたの演技次第です。
2本目につなぐことができるのかどうかが勝負となりますので精一杯頑張りましょう。

仕事が決まる流れ

まず、マネージャーから「●月●日キープが入りました。」というキープの連絡が来ます。
キープの段階では候補者が何人かいる状態ですので、まだ確定ではありません。

その後、マネージャーから「決定しました。」という連絡が来て初めて仕事が確定します。

仕事が確定すると事前に台本とV(映像)が配布されますので、事務所に取り行きます。
早いところだと収録の1週間前にもらえますが、遅いと前日ということもあります。

台本とV(映像)を手に入れたら、本番のために仕込む作業(リハーサル)をします。

仕込み(リハーサル)

新人でもらう最初の仕事は、出番やセリフの少ない役を振られることが多いです。
しかし、どんなにセリフが少ない役だとしても、作品の中できちんとした役割があるからこそ、出番がありセリフがあるのです。
そこをしっかりと理解してリハをしていきましょう。

よくやってしまう失敗として、自分の出番しか見ずにリハをしてしまうことです。
これは絶対にやってはいけません。

まず台本、映像を最初から最後まで必ず目を通し、作品の全体像をつかみましょう。
作品の全体を理解してから、自分のシーンに入らなければなりません。

現場では、急遽自分の出ていないシーンでもガヤを入れたりすることがあります。
作品全体を見て、現場に入れば、急遽何かを振られても焦ることなく対応できます。

作品全体を理解したうえで、自分の役を深めていきましょう。
準備万端で収録に臨めるようにリハはしっかりとやりましょう。

収録当日

新人で一番大切なのは挨拶です。
まず、現場に入ったら、ミキサー室に挨拶に行きます。
ディレクター、もしくは音響監督の方に「○○(事務所名)の○○(名前)です。本日はよろしくお願いします。」と丁寧にあいさつをしましょう。
最初の現場であれば、マネージャーも同行してくれると思いますので、わからないことがあればマネージャーに聞きましょう。

ブースに入り、もしも先に先輩がいらっしゃったら同様にあいさつをしましょう。
座る位置も新人は基本的に入口側となっていますが、レギュラーの方の座る位置が決まっている可能性があるので、先輩に聞いてみるのもいいと思います。

このように演技をする前にあいさつや、座る位置など気にしなければならないことが多々あるのが現場です。

収録が始まる前に、ディレクター、音響監督から台本の直しや、抜き録りについて指示が入ります。
凄い速さで進んでいきますので、漏らさないようにしっかりと台本にメモをしましょう。

収録はテスト、本番の2回で行うことが多いです。
テストでは、自分で構築してきた演技を提案します。
テスト後に問題があればディレクター、音響監督からダメ出しがあります。

本番ではダメ出しを反映した演技をします。
この流れでR(ロール)毎に収録を行っていきます。

多くの収録スタジオは4本のマイクが立っています。
この4本のマイクを出演者で譲り合いながらスムーズに収録を行っていく必要があります。
また、テストと本番は同じマイクに入らなければなりません。
必ず自分がどこのマイクに入ったかというのは台本にメモするようにしましょう。

全てのR(ロール)のテスト、本番が終わると、抜き録り、ガヤの収録に入ります。
これですべての収録が終わりとなります。

これがコロナ禍前の現場でしたが、現在はコロナ禍のため、全員一堂に集まっての収録ができない状態です。
そのため、現在は別録りで収録が進んでします。
いつまでこの状況が続くかはわかりませんが、当分はこの状態での収録となるようです。

コロナ禍では時間を区切り、少人数で収録を進めていきます。
最初のR(ロール)から収録するのではなく、ブース内の人が出ているシーンのみを収録していきます。

以前と比べ、収録時間が短くなりましたが、先輩の芝居を直に見られないのはとても残念なことです。
現場に行くと経験値が上がるというのはよく言われることですが、それは何十年も活躍されている先輩と同じ現場で演技ができるからなのです。
その機会が失われてしまうということは、新人が上手くなる機会がなくっているということでもあるのです。

早くコロナ禍が終わり、以前のように収録ができるようになることを祈るばかりです。

海外映画やアニメのメインキャラクター掴むために

多くの方が海外映画やアニメのメインキャラクターを演じたいと考えていると思います。
海外映画やアニメのメインキャラクターに関しては必ずオーディションがあります。
そのオーディションは誰でも受けられるわけではなく、事務所内で候補の選別が行われます。
オーディションの候補として推してもらえるよう日頃からマネージャーとコミュニケーションを取り、あなたの売りや熱意を理解してもらいましょう。

声優事務所に所属したばかりの状況ではマネージャーもあなたのことがよくわかっていません。
あなたがどんな人なのか、どんな仕事をしていきたいのか、あなたの売りは何なのか、そういったことを理解してもらわなければ、仕事に繋がらないのです。

まずは事務所のマネージャーなど関係者とコミュニケーションを取ることを心がけましょう。
そして、少しずつオーディションに推してもらえるよう必死に努力してください。

毎年新人が入ってきますので、所属してから1、2年が勝負と思って取り組みましょう!

声優の収入と厳しい現実!

声優という職業はサラリーマンのような固定の月収はありません。
声の仕事をしていくことで1本ごとに報酬がもらえます。

アニメ、外画に出演した際の新人声優の1本単価は15,000円です。
ここから源泉徴収として10%、所属している声優事務所にマージンとして20~30%が引かれます。
残った金額が手取りの報酬となります。

1本単価15,000円というのは地上波に放送される作品の場合の話なので、CS系の場合は8,000円となります。

ナレーションはアニメ、外画と比べ1本単価が非常に高いのが特徴であり魅力です。
1本単価に決まりはないので案件ごとによって金額が異なりますが、1回の仕事でアニメ、外画の何本分かの金額がもらえます。

また、定期的に仕事を貰える保障というのは声優にはありません。
もし、アニメのレギュラーを貰えたとしても1クール(3か月)で終わってしまうのです。

超売れっ子の声優の方ですら、いつ仕事がなくなってもおかしくないと本気で言っている世界です。
新人や仕事の少ない声優は、声の仕事だけで生活していくのが厳しく、実はアルバイトをしていることが多いのです。

ランク制度

声優業界には「ランク制度」というのものがあります。
アニメ、外画が1本単価15,000円と言いましたが、これはランク制度で決まっているものなのです。

新人は「ジュニア」という位置に登録され、3年間は1本単価15,000円と決められています。
ジュニア期間が終わると自動的に「ランク」が付きます。

これが業界で「ランカー」と言われる人たちです。
1本単価が基本的にジュニアの倍額になります。

このランカーになってから声優の本当の勝負が始まります。
ランカーの半分の金額で使える新人が業界には山ほどいるのです。
その新人の倍額を支払ってまで使いたいと思える声優に、3年間でならなければならないのです。

実際、ランカーになると仕事量が激減するというのは本当によくある話です。
そうならないためにジュニア期間のうちに実力をつけなければなりません。

ランカーになると仕事が激減することを回避するため、今は少し制度も変わってきました。
いきなり倍額ではなく、刻んで金額を上げられるようになったのです。

しかし、新人に負けられないという状況は今も変わりません。
仕事も貰い続けるためには絶え間ない成長が必要不可欠なのです。

声優としての主な仕事内容

アニメのアフレコ

声優を目指すきっかけとして多いアニメ。
このアニメに声を収録するのがアフレコです。

事前に台本とV(映像)を貰い、自宅で準備(リハーサル)をします。

収録は後日録音スタジオで出演者が集まって行います。
スタジオブース内にはテレビとマイクが設置されています。

自分の役の出番になると台本を片手にマイク前に立ち演技をします。

外画の吹き替え

外国の映画やドラマに声を収録し、日本語吹き替え版を作るのが外画の吹き替えです。
基本的な流れはアニメのアフレコと同じです。

一つだけ違うのは、外画の場合は声優が収録時にラジオを身に付けます。
ラジオからは原音が流れてくるので、その音を頼りにマイク前で演技をします。

ゲーム、スマホアプリの収録

ゲームやスマホアプリのキャラクターに声を収録する仕事です。
外画やアニメと違い、ブースでは一人でセリフを収録していきます。

様々なセリフを一つずつ収録していきます。

テレビ番組などのナレーション

バラエティ番組から報道まで様々な番組のナレーションを実は声優が担当しています。

ナレーションの現場はその日台本、その日V(映像)ということが多いので基本的には事前に準備ができません。
初見の原稿をきちんと正確に、なおかつ表現力豊かに読むことが要求されます。

収録はブースで一人で行い、映像に合わせ原稿を読んでいきます。

ラジオパーソナリティ

人気声優になるとラジオのパーソナリティを任せられることがあります。

アニメなどのラジオ番組を担当し、進行します。
収録現場や声優同士の裏話などについてトークをしていきます。

フリートーク能力がとても必要となる現場です。

イベント出演

人気アニメに出演すると、それに関連したイベントへの出演依頼が来ることがあります。

イベントの内容は様々ですが、出演キャラクターの声優としてイベントに出演します。
お客様の目の前で、収録に関する裏話など声優同士でトークしたり、朗読劇をすることが多いです。

歌手活動

最近は声優でもアイドル活動やソロで歌を歌うことが増えてきました。
アニメを主戦場としている声優が歌手活動をすることがとても多いです。

アニメ主題歌や、キャラクターソング、個人として歌手活動をしている方など活動範囲は様々です。

声優になるための基礎練習

声優になるための基礎として「呼吸」「発声」「活舌」というのは必要不可欠です。
ハッキリ言ってしまうと、この3つについては文字で読んで実践することはあまりおすすめできません。

プロの方の指導をきちんと受け、その補助として本やネットの情報を実践していくことをおすすめします。
声優養成機関に行けばきちんと教えてもらえますので、まずはプロの指導を受けてください。

もし、「呼吸」「発声」を深く学びたいということであれば、声楽家のボイストレーナーの方の個人レッスンを受けることをおすすめします。
私も受けていましたが、「呼吸」「発声」についてきちんと学ぶことができました。

今回は「呼吸」「発声」「活舌」の基本的な部分や考え方を解説していきます。

腹式呼吸

呼吸には肩式呼吸、胸式呼吸、腹式呼吸があります。
一番息が長続きするのが腹式呼吸の為、声優を目指すなら腹式呼吸をマスターしなければなりません。

仰向けになり、お腹に手を当てて、ゆっくり鼻から息を吸ってみてください。
お腹が膨らんでくるのを自覚できると思います。

そして次にゆっくり口から息を吐いてください。
お腹がへこんでいくのを自覚できるはずです。

これが腹式呼吸です。
この呼吸を立っているとき、セリフを言うときに使えるよう訓練していく必要があります。

腹式呼吸の訓練

呼吸というのはコントロールができるようにならなければいけません。
長いセリフがあったときに息のコントロールが上手な人なら一息で言えます。
しかし、息のコントロールができない人は何度も息継ぎをしなければならなくなります。

まずきちんと息のコントロールができるようになることを目指しましょう。

ここでは、3・6・9呼吸という方法を紹介します。
簡単にできるのでご自宅で試してみてください。

一点だけ注意してほしいのは体に無理に力を加えないことです(力まないこと)
息を吸うとき、息を吐くとき、無駄な力が入らずにできる範囲というのがあるはずです。
これ以上吐いたら力が入ると思ったら無理に吐く必要はないのです。

<3・6・9呼吸>

①仰向けに寝て、お腹に手を置きます。

②3カウント(3秒)で鼻から息を吸います。

③6カウント(6秒)間、息を止めます。
この時、喉で止めるのではなく、お腹でキープするように意識しましょう。

④9カウント(9秒)で口から息を吐きます。
「ふー」とゆっくり吐くイメージでやりましょう。

発声

発声に関しては、ここでは訓練方法については触れません。
発声の考え方について解説していきます。

発声訓練の目的は、あなたの体から出る一番自然な声を出せるようになることです。

人それぞれ体(楽器)は異なります。
あなたの体から出る一番自然な声というのが必ずあるはずです。
まずそれを見つけていくことがとても大事なことです。

人には育ってきた環境、生活習慣で様々なクセが付いているはずです。
喉を必要以上に締め付けてしゃべる人、息を必要以上に使ってしゃべる人、ミックスボイスでしゃべる人などなど。
こういった声優としては邪魔なクセを排除し、あなたの体から出る一番自然な声を出せるようにすることが発声訓練の目的です。

発声訓練にはプロのボイストレーナーが必要です。
プロのボイストレーナーは「良い耳」を持っています。
あなたがしゃべる声を聴いただけで、発声方法やクセを見抜き、指摘をしてくれるのです。

発声訓練をしたいと思うのであればプロのボイストレーナーのレッスンを受けましょう。
ボイストレーナーは声楽家の方にお願いすることをおすすめします。

正しい発声とは

あなたの体から出る一番自然な声を出せるようにすることが発声訓練の目的とお伝えしました。
しかし、ずっとその声でセリフをしゃべる必要はありません。
むしろ、その声でしゃべり続けない方がいいのです。

呼吸も同じです。
腹式呼吸で息をコントロールできるようならなければなりませんが、ずっと腹式呼吸を使い続けなければならないわけではありません。

声優というのは様々な役柄、シチュエーションを演じ分けなければなりません。

その時の感情に合った呼吸、発声があるはずなのです。
沸き上がった感情を表現するのに一番適した呼吸、発声を使うことができれば、それが「正しい発声」と言えます。

泣きじゃくっている演技のときに、腹式呼吸で、あなたの一番自然な声で演技をしてしまったらすべてが台無しです。

乱暴な言い方をすれば、泣きじゃくっている演技のときに、喉を締めた発声が一番感情が伝わりやすいのであれば、それが正解になるのです。

まずはあなたの体から出る一番自然な声をベースとしてきちんと作り上げ、そこから様々な声を使い分けられるようになりましょう。

活舌

活舌は個人でできる最低限の努力です。
日頃から活舌練習を行い、活舌を鍛えましょう。

人それぞれ口の中の構造は違います。
活舌練習を行いながら、どうすれば明瞭に言葉を発することができるのかというの模索してください。

練習の時は録音することをおすすめします。
録音して、聴く、改善する、というのを繰り返すことで活舌は良くなっていきます。

今回は活舌練習に使える活舌練習集を紹介します。
各行の練習や、外郎売、こんきょう寺などがありますので、活舌練習に活用してください。

最後に

今回は声優になるということに焦点を当てて解説してきました。

声優になるためには「正しい努力」と「行動力」が必要不可欠です。
すぐに行動に移し、正しい努力をできる人だけが声優になることができます。

信頼できる声優養成機関に通い、プロの指導を受けてください。
そして、受けた指導を参考に自主練習を行い、一歩ずつプロの声優に近づきましょう。

毎日の積み重ねがあなたを素敵な声優へと導いてくれるはずです!
まずは声優養成所の資料請求をし、可能であればレッスン見学に行きましょう。

あなたの第一歩を応援しています!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次