「声優になるのに舞台経験は必要なのかな?」
「なんで養成所・専門学校ではマイク前の演技レッスンが少ないの?」
こんな風に疑問を持ったことはありませんか?
実は声の仕事はもともと舞台出身の人たちがやっていたアルバイトだったんです。
今では声優という仕事が定着していますが、昔は声優と呼ばれることが嫌がられていた時代がありました。
「私は舞台役者で声優ではありません!」という時代があったのです。
声優の養成所・専門学校でも演技レッスンは舞台形式で行っています。
演技を学び、基礎ができるようになってから、マイク前のレッスンをするところが多いのです。
では、実際に声優になるために舞台経験が必要なのか気になりますよね?
今回は、そんな人のために声優になるには舞台経験が必要なのかについて解説していきます。
舞台形式で演技レッスンをする理由
昔の声優は舞台経験が豊富で、表現力が豊かで個性的だとよく言われます。
「声優である前に一人の俳優であれ」
声優の野沢那智さんが生前よくおしゃっていました。
だから舞台形式で演技レッスンを行う声優の養成所・専門学校が多いのです。
声優になるためには、まず俳優になる必要があるということです。
声優はマイク前で演技をしなければならないという制限があります。
動いてマイクから外れてもいけませんし、雑音を立ててもいけません。
その状態で、表現力豊かな演技をすることはとても技術が必要です。
なので、まずは自分の体を自由に使って表現できるように訓練しておくことがとても重要です。
なぜなら立ったまま演技するよりも、実際に体を使って演技した方が何倍もやりやすいからです。
走る演技をするよりも、実際に走った方がリアルですよね?
そうして実際に体を使って演技をした経験がマイク前では活きてきます。
制限があるマイク前で豊かな表現ができるようになるために舞台形式で演技を学ぶ必要があるのです。
舞台を経験しないと声優にはなれない?
では、舞台を経験しないと声優にはなれないのかというと、そんなことはありません。
実際に第一線で活躍している方の中にも舞台を経験せずに声優になった方もいます。
ただ、舞台上演を行わない声優の養成所・専門学校であっても演技のレッスンは舞台形式で行うと思います。
いきなりマイク前で演技のレッスンを行う声優の養成所・専門学校はなかなかありません。
まずは自分の体を使い演技をします。
それができるようになってからでないとマイク前で演技はできないのです。
舞台はとてもいい経験になりますが、声優になるために必須のものではありません。
しかし、舞台経験がプラスになることはあってもマイナスになることはありません。
もし、舞台を経験するチャンスがあれば積極的に参加することをおすすめします。
舞台を経験しなくても声優にはなれますが、経験することで多くのことを得ることができるはずです。
舞台では一つの役を何か月もかけて作っていきます。
作品の時代背景を調べ、自分の役の生い立ちを考え、深めていきます。
舞台を経験すると、一人の人間を演じるためには何が必要なのかを学ぶことができます。
舞台経験のメリット
舞台では、自分の呼吸、自分の間で演技をすることができます。
そのおかげで、感情の動きを大切に演技をすることができるのです。
また一つの作品を通して演技を構築することができるのも大きなメリットです。
なぜなら演技レッスンでは基本的に作品の抜粋シーンを演じることが多いからです。
部分的に役を演じるのと、一つの作品を通して演じるのでは、役の深まり方が圧倒的に違います。
マイク前の演技では、タイムが決まっているので、自分の呼吸や、間で演技をすることはできません。
完成品に命を吹き込んでいくのですから、その役の呼吸や間で演技をしていかなければなりません。
当たり前のことと思うでしょうが、制限のある中で心を動かし演技をしていくのは、とても技術がいることです。
そういう制限がない舞台で、おもいっきり心を動かして演技をすることがとても大事です。
自分の呼吸、間で、心の動きに重点を置いて、演技ができるようなるには舞台を経験するのが一番の近道なのです。
まとめ
今回は舞台経験について解説していきました。
マイク前では様々な制約があります。
その制約の中でも表現力豊かな演技ができるようにならなければなりません。
そのために舞台はとてもいい経験になります。
自分の呼吸、間で、感情を動かして演技をすることを学ぶのはとても大切なことです。
そして大事なことは、舞台を経験することではありません。
舞台にどう取り組み、何を得たのかが重要になってきます。
そこをちゃんと理解して舞台に取り組まなければ、あまり意味のない経験になる可能性があります。
真剣に舞台に取り組んでいけば、あなたの演技力は必ず上達します。
舞台を経験するチャンスがあるのであれば、全力で取り組みましょう。
毎日の積み重ねと努力があなたをプロの声優へと近づけてくれます。