声優養成所体験談では私がプロの声優になるまでに「学んだこと」「体験したこと」を記事にしています。
全く才能がなかった私が、どうやってプロの声優になったのか。
声優を目指すきっかけから、声優事務所に所属して現場に行くまで、すべての過程を時系列で公開します。
声優を目指したいけど、向いているかわからない、自信が持てないと悩んでいる方はぜひ読んでみてください。
演技基礎のレッスン2
前回の記事では「鏡」「距離感」「声の方向性」という内容について書いていきました。
レッスン内容はとても楽しいものでしたが、
今回は地獄のように辛かった「エチュード(即興劇)」について書いていきます。
エチュード
エチュードとは即興劇のことです。
演技経験者でもエチュードが苦手な人は多いのではないでしょうか。
まず、何かお題を与えられます。
八百屋さん、魚屋さん、コンビニの店員、なんでもありです。
与えられたお題で前に出て演技をします。
もちろん即興劇なので、すべてアドリブです。
そして、講師の方が止めるまで基本的には続けなければなりません。
ちゃんとストーリーを作ることができて、終わらせることができればやめても大丈夫ではありますが、グダグダになって自分でやめたり、恥ずかしくなって終わらせたりするのはNGです。
私は「魚屋さん」というお題をもらいエチュードをやることになりました。
前に出て、やろうとはするものの、すぐに自分で止めてしまいます。
そもそも演じるということすらよくわかっていない状態です。
お題を与えられても、自分でストーリーを展開していくことができず、何をどうしたらいいのか全くわかりませんでした。
例えば魚屋さんをやっても、「いらっしゃいませ」とは言うものの、そのあとが何も出てきません。
みんなが見ている視線も気になりましたし、なにより、魚屋さんをどうやればいいのかわかりませんでした。
魚を売ってもすぐ終わってしまうので、何度も魚を売りましたが、同じ魚ばかり売る始末です。
この演技基礎のレッスンは1年間ありましたが、約半年間くらいは私の魚屋さんのエチュードで終わりました。
演技基礎のレッスンで毎回魚屋さんをやらされるのです。
この苦痛から解放されるためにも、何とか魚屋さんのエチュードができるようになりたいと思っていました。
近くにある魚屋さんを見に行ったり、自分で練習してみたりもしたのですが、どうしても、エチュードで魚屋さんができなかったのです。
毎回魚屋さんをやらされて、いつまでたってもできないので、同期からの視線もがとても痛かったです。
「またできてない」「なんでできないの?」という空気が本当に辛かったことを覚えています。
その場の思い付きでできる人はいいのですが、私のように、思い付きでは何もできない人もいると思います。
エチュードでは自分で話を展開していかなければなりません。
当時の私がやったように「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と魚を売っているだけでは、
何もドラマは起きませんし、見ている人も退屈です。
集中力を切らさないこと、そして自分で話を展開していくことがエチュードでは大事なのですが、当時の私はそこに全く気付けていませんでした。
結局1年目の演技基礎では最後まで魚屋さんができるようにはなりませんでした。
当時の私はできなかった悔しさよりも、演技基礎のレッスンが終わった嬉しさの方が強かった記憶があります。
3年目にリベンジのチャンスがあるのですが、それは3年目の記事で書いていきたいと思います。
最後に
演技基礎のエチュードでは、私が毎回魚屋さんをやっていました。
そのせいで、同期は私の魚屋さんを見ているだけの時間になっていました。
全く進歩がない私に呆れといら立ちもあったと思います。
私としては精一杯やっていたのですが、結果がともなっていなかったので、全く努力していないように見えていたと思います。
プロになるためには正しい努力をしなければなりません。
間違った努力をしていてはいつまでたってもプロの声優になることはできません。
当時の私はまさに間違った努力を一生懸命していたのです。
間違った努力ほど無駄に時間がかかるものです。
正しい努力と準備をしていれば絶対に成長できますし、なにより、時間効率がとてもよくなります。
もしも、あなたが精一杯努力しているのに結果がともなわないことがあるとしたら、それは努力の仕方が間違っている可能性があります。
そういうときほど、一度立ち止まって冷静に努力の仕方を考え直してみましょう。
自分でわからなければ、誰かに相談してみるのもいいと思います。
一人で抱え込まずに、相談して一日でも早くプロの声優になりましょう!
今回の記事はここまでです。
次回は演技のレッスンについて書いていきます。